Bakery:Mariに搭載されたテクスチャベイクエンジンの実力
テクスチャベイクは、アーティストのワークフローにおいて不可欠な工程である。高解像度のオブジェクトからディテールを生成し、それを低解像度オブジェクトで使用可能なテクスチャマップとして活用することで、効率良く、効果的な描画表現が可能になる。
Mari 7.0のリリース以前は、3Dモデルのベイク処理を行うには、いったんMariの外部ツールに頼る必要があった。しかし、Bakeryの登場によってワークフローは大きく変化した。

Bakeryとは?
Bakeryは、Mariに標準搭載されたメッシュマップベイキングエンジンである。特定のメッシュから取得したジオメトリ情報をベイクし、同一のメッシュはもちろん、別のメッシュにも適用可能なテクスチャを生成できる。
この高性能なエンジンを活用すれば、カーバチャーやアンビエントオクルージョンなどのジオメトリマップを、外部アプリケーションやプラグインに頼ることなく生成することが可能となる。さらに、複数に渡るオブジェクトでも、複数のUDIMにまたがるマップを一括かつ高速にベイクできるため、作業はMari内でスムーズに完結し、アーティストのクリエイティブフローを妨げることはない。

「ベイクしたいアイテムを選び、オフセットや距離などの主要なプロパティを調整するだけです」と、MariのプロダクトマネージャーであるCharli Holtは述べている。
Bakeryの利点
Bakeryの導入により、アーティストはこれまで以上に迅速かつ効率的に作業できるようになった。従来は他のアプリケーションでベイク処理を行い、再びMariに戻ってアセットを仕上げるという手間を要したが、今後はより、クリエイティブに専念できるようになる。

Holtは次のように説明する。「Bakeryの処理速度は高速で、かつ複数のベイクアイテムをまとめてベイクすることもできるため、作業効率は大幅に向上します。他のソフトでは解像度を犠牲にしがちなマップも、Mariなら高品質のまま効率よくベイク可能で、テクスチャ作業全体のワークフローを長期的に最適化できます」。
「つまり、アーティストはクリエイティブな作業に集中し、ベイク処理や変換、エクスポートといった工程はMariに任せることができるのです」。
高解像度でのベイク
Bakeryを使用すれば、複数に渡るオブジェクトや、数百のUDIMを含むプロジェクトにおいても、まとめてスピーディかつ簡単にベイクすることができる。そのため、待ち時間は大幅に短縮し、ペイント作業により多くの時間を割けるようになる。膨大な数のUDIMに対応できる柔軟性を備えており、Bakeryはヒーローアセットにも背景アセットにも最適なツールである。
ベイクタイプごとに調整できるパラメーターが用意されており、パラメータの値は保存しておくことができる。また、プレビューウィンドウでは、パラメーターを調整しながらマップの見た目をほぼリアルタイムで確認できるため、試行錯誤の幅が広がる。ベイクしたマップはディスクへの書き出しはもちろん、ペイントノード、ジオチャンネル、チャンネルノードとしてプロジェクト内に直接エクスポートすることも可能だ。満足できたらベイクボタンを押すだけでよい。
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